間違ってないけど、つまんない。

多くの建築物は建てて終わり。けれどもモバイルスペースは、まるっきり違います。繰り返し使うし、折りたたんで動かす。工業製品ですから、うまく生産ラインにのるように、収まりを考えるのが私たち構造開発の主な仕事です。組み立てるときに整備がしやすい構造は、逆に言えば、外から簡単に取り外しができてしまう構造。そうなると、防犯面や安全面が問題になります。何度も構造計算をしながら、ベストな構造を考えるのですが、なかなか一筋縄ではいきません。いざ作ってみて、ダメだこりゃ!とボツになったことは数知れず。2年目の時に携わった主力商品CT-Jだって、今でもなお改良が続いてますから、技術の道に終わりなし、です。普通に考えれば、柱を大きくすれば安全性を高められる。でも、普通にやっても面白くない。「間違ってないけど、つまんない」と、昔は先輩からよく言われました。今では自分も後輩たちによく言っています。「面白いものつくってよ」「たまには笑えるものつくってよ」って。

全世界に、モバイルスペースを広めたい。

恐れ多くも、執行役員に抜擢してもらったのが入社10年目の頃。1000名規模の会社で、若造にちょっと毛の生えたくらいのキャリア。なのに、執行役員なんて異例です。自分よりも能力の高い先輩は山ほどいました。なぜ自分なのか。社長に聞いたことがあるんです。そうしたら「今だけでなく将来的な期待値も含めて、お前に任せたんだ」と。年次に関係なく、期待を込めて大役を任せてくれる。それが三協フロンテアという会社の懐の深さ。私自身、まだまだ丸くなっちゃいかん、面白いものをつくらなきゃいかんと思っています。モバイルスペースは、世の中を変えられる製品。その可能性は未知数です。多くの人にモバイルスペースを使ってもらえるように、全世界にこの魅力を広めたい。建物を建てるとき、モバイルスペースで行こうか、在来工法で行こうか。モバイルスペースが当たり前のように、選択肢のひとつになっている。10年後には、そんな社会が実現できると信じています。